12. へび座 Serpens

へび座  Serpens

出現  Manifestations


 これは野尻抱影著「新星座巡礼」にある挿絵です。へび座は蛇遣(へびつかい)座につかまれている蛇で、星座の領域としては頭の方と尾の方で 2つに分かれているという珍しい星座です。でもこの挿絵はちゃんと一匹の蛇に見えて、わかりやすいですね。
 全天 88星座の中に蛇の名がつく星座は 3つもあります。へび座うみへび座、そしてみずへび座です。シサスクのイメージはそれぞれ「出現」、「無限」、「鮮明なコントラスト」となっています。
 へび座の領域には、目を奪われるような美しい天体が 2つあります。



 これは 北天で最も見事な球状星団の一つといわれる M5で、25000光年の距離にあり、10万個以上の星が集まっているそうです。へび座の頭部の方の領域にあります。



 これは 7000光年にある散開星団 M16(シサスクは NGC 6611 と記しています) と「わし星雲」で、へび座の尾の方の領域にあります。M16 は「わし星雲」の中に埋もれていてはっきりしないそうで、私にもどれなのかわかりませんが、兎にも角にも宇宙とは空想画のようでもあり、空なのに海のようでもあり、火山のマグマのようでもあり・・調和した色合いに驚くばかりです。この画像の中央に、柱のように立ち上がった形があります。それを大きく写した画像がこちら。



 この 3本の巨大な柱は「創造の柱」と呼ばれる暗黒星雲です。7000光年の距離にあるということは、今見えているこの姿は7000年前の姿ということ。そのことに想いを馳せた時、なぜかこの画像が恐竜に見えてきました。

 ところで最古の恐竜って、どのくらい前? → 2億3000万年前

 宇宙の誕生って、いつ? → 138億年前
 地球の誕生って、いつ? → 46億年前


これを機に、どんなものにも誕生の時があることをじっくり感じておきましょう。


 シサスクのへび座のイメージは「出現」。英訳の manifestation を調べてみると、「霊魂の出現」ともあります。宇宙に生きる者として重要な原点(生命がどう誕生したのか)に今一度、立ち返ろうではないか、一生を終え、魂となって宇宙に帰っていくまでの神秘、その深い意味を考えようではないかと促しているようにも感じます。

 シサスクのへび座の音楽は、5度音程を含む 9度や 10度の幅広い和音の平行移動によって、天体の整然とした配置や軌道を表し、3段譜の真ん中に挿入されるパッセージによって、彗星や流星のように突如、出現する光を表しているようにも思えます。その光はあるいは霊魂なのかもしれません。