16. おひつじ座 Aries

牡羊座  Aries

緊迫  Tensions

Stardust in Aries

 おひつじ座プレアデス星団の近くにあります。雲のように広がっているのはスターダスト(宇宙塵)で、写真の右の方に写っている青い星は、おひつじ座 ε(イプシロン)星です。γ (ガンマ)星には 1664年にイギリス人によって発見(おそらく最初の発見)された二重星があります。



 シサスクの星座図には番号のついた銀河は書かれていませんが、非棒状渦巻銀河があり、Arp 78のほかに NGC 772 の番号も併せ持っています。1億3000万光年の彼方にあり、直径は私たちの銀河系の 2倍以上大きいとか。



 これはハッブル望遠鏡がおひつじ座の方向で捉えたという2019年8月5日に公開された画像です。2つの銀河は重力によって今後さらに引き寄せられ、やがて巨大なひとつの銀河になるだろうとのことで、Milkomeda という名前も既についています。私たちの天の川銀河も衝突によって生まれたと推測する人もいますし、これから 40億年後、天の川銀河はなんと、お隣のアンドロメダ銀河と衝突するだろうと言われています。
 こうした新しい情報をシサスクも興味深く見ていることでしょう。星座のイメージは時とともに変わっていくのかもしれませんが、おひつじ座のシサスクのイメージ「緊迫」は、予感としてよく合っているようです。3つの画像に共通して見える青白い光にもどことなく緊迫感が感じられます。

 野尻抱影氏によるとおひつじ座はとても古い星座で、古代にはこの星座が天の中心と考えられおり、黄道十二宮でもあるこの星座に太陽が入ると、エジプトでは祭りを催しました。人々は羊の頭を花で飾って行列を作り、練り歩いたそうです。

 おひつじ座の曲は、3つの離れた音の三和音でやや緊張感を持って始まります。3つの音はもしかしたら、α β γ というおひつじ座の羊の頭に輝く 3つの星を表しているのではないでしょうか。左手から始まる旋律には、聞き耳を立てて周囲に何か近づいてこないかをうかがうような様子が感じられます。そのようなイメージから音楽は、大地、過去の歴史、星々の未来へとあらゆる方向に広がって、気がつけば壮大な宇宙空間に居るといった驚くべき展開を見せます。終結部で三和音が左右一緒に並ぶのは、二重星の暗示でしょうか。

 おひつじ座の次は、へびつかい座です。へびつかい座のイメージは「破滅」。おひつじ座からへびつかい座へは、ド# cis の音で切れ目なくつながっていきます。さて何が起こるでしょうか。




コメント