49. ぼうえんきょう座 Telescopium

望遠鏡座  Telescopium

優しいタッチ  Gentle Touch

NGC 6584(Wikipedia)




 NGC 6845 (Wikipedia)

 ぼうえんきょう座に存在する天体は、残念ながら NASAの画像にはいずれも見つけることができませんでした。上画像のほかに、シサスクが星座図に記している惑星状星雲 IC 4699 を探しましたが、それは Wikipedia にもないため、こちらに引用することができません。
 ラカイユがぼうえんきょう座を設定したときの星座は現在の形より大きく、近くにあるいて座さそり座みなみのかんむり座の星ぼうえんきょう座の星として含まれており、天の川にも接していたようです。

 シサスクのぼうえんきょう座のイメージは「優しいタッチ」。

 この副題は、目立たないぼうえんきょう座が周囲のより目立つ星座たちに優しく触れ合うように存在していることを表しているのではないかと想像できます。天体望遠鏡の設置場所として、この位置が天の川銀河の中心方向を示すいて座を望むことのできる最高の位置であることも、シサスクの心をときめかせているのではないでしょうか。「タッチ」とは魅了される星々へのタッチなのではないでしょうか。手の届くはずのない遠い天体が、望遠鏡の中では届きそうな近さになる・・それを愛おしく思う気持ちが伝わってくるようです。

 シサスクのぼうえんきょう座の音楽の終結部には、シサスクが 2015年に作曲した「トゥルクの歌」の旋律が挿入されています。トゥルクとはフィンランドの古都であり、シサスクが《赤道の星空》を完成させた地でもあります。下の譜例は「トゥルクの歌」の旋律が現れる箇所です。




 この「トゥルクの歌」の頭の部分は、ぼうえんきょう座の冒頭部分にもその姿を現しています。



 上の譜面上に F-d(F-dur ヘ長調の意) 、 a-m(a-moll イ短調の意) とありますが、この曲は「長調」とその長 3度上の「短調」がセットになって進行しています。その進行は下記のように完全 4度上がりで進み、全ての調を含んでいます。最後は「トゥルクの歌」で F-dur へ戻り、循環するような作りになっているのです。

 F/a - B/d - Es/g - As/c - Des/f - Fis/b - H/dis - E/gis - A/cis - D/fis - G/h - C/e -(F)
 

「トゥルクの歌」は《赤道の星空》第 20曲のつる座も挿入されるのですが、このことが何を意味するのかについては、つる座の時に記したいと思います。
 
 ぼうえんきょう座の曲の後には けんびきょう座が続きます。そのイメージは「優しい応え」。対になっているような副題は、この二つの星座が小さいものを拡大して見るための道具の名前であることのほかに、星座の位置が隣り合っていることを示していることに間違いありません。

 







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