小獅子座 Leo Minor
見出す者 The Finder
真横が見えている(エッジオン銀河) NGC 3432 は、4500万光年にある渦巻銀河です。形が歪んでいるのは、近くにある銀河による重力的な影響によると考えられています。
Facing NGC 3344
美しい棒渦巻銀河 NGC 3344 は 2000万光年にあります。 中心の黄色がかった古い星々、青く光る若い星団、赤みを帯びた星形成領域といった銀河の典型的な色合いをもっています。
シサスクはこのほかにNGC 3486、3414、3245 を星座図に記していますが、NASAには画像が見つかりませんでした。 こじし座はしし座とおおぐま座の間にある小さな領域で、目立たず、あまり知られていません。しかも β星があるのに α星がなく、それは悲しいことに、カタログ作成時(1845年)にギリシャ符号を単に振り忘れたというミスのせいだとか。 α星となるはずだったのは、こじし座で最も明るい星(といっても4等星)で、プラエキプア Praecipua という名があります。ラテン語で「主要なもの、チーフ」といった意味とのことです。
H.A. Rey 著 "The Stars" に収められている星座図をお借りし、おとめ座、しし座、こじし座とその周辺領域に手を加えてみました。 おとめ座 α星スピカ、しし座 β 星デネボラ、そしてうしかい座 α星アルクトゥルスの 3つの恒星を繋いだ正三角形を「春の大三角」Spring Triangle (黄色の点線)といいます。欧米ではスピカ、アルクトゥルスとレグルスと α星ばかりを繋いだ三角形を「春の大三角」としているようです。 北斗七星の柄杓の柄からアルクトゥルス、スピカ、からす座へと伸ばした曲線(紫の点線)は「春の大曲線」と呼ばれます。北斗七星はおおぐま座の一部ですが、その α星とβ 星の間隔を北へ約 5倍に延長すると北極星にたどり着くという見方は航海する人々にもよく使われていたことです。
シサスクがこの領域をどう見ていたかは確認できませんが、しし座のレグルスとデネボラ、そしてこじし座のプラエキプア Praecipua の 3星を結ぶと、小さな正三角形がもう一つできることに気づきました。2つの正三角形はデネボラを中心にした蝶の形になりますね。デネボラをかみのけ座やりょうけん座の星と繋いだら蝶の触角まで見えてきます!(書き入れようかと思いましたが、皆さんの想像にお任せします。) 更に発見が!こじし座の Praecipua はレグルスからのラインを延長すると、おおぐま座(北斗七星)の α星と β 星のラインに沿って北極星へと繋がります(赤い点線の矢印)。そして図に書き入れたもう一つの赤い矢印は、りゅう座 α星トゥバン Thuban を指しています。Thuban は 5000年前に北極星だったとされている星です(69. ケフェウス座を参照)。Praecipua から北斗七星の柄杓の左辺へ、そしてそれを約 3倍すると Thuban が見つかりそうです。シサスクはおとめ座、しし座、こじし座の作品を順に並べることで、この領域の関係性を示したに違いありません。
こじし座のシサスクのイメージは「見出す者」。見当たらなかった「ラ(A)」(譜例1)の発見に期待が高まります!
【譜例1】
ラ(A)といえば、《赤道の星空》の「ほうおう座」に登場した「蝶のモチーフ」も思い浮かびます。そして第79曲としてこれから現れる「おおぐま座」を気になって調べたところ、最後はラ(A)の音で落ち着いています。推測ですが、シサスクはラ(A)の音から蝶の形を、あるいは Aというアルファベットの形から三角形を連想させ、北極星へ導こうとしたのではあるまいか。 ならば、ラ(A)は北極星のことか?とも思いましたが、むしろ、こじし座の Praecipua に特別に与えられた音なのではないでしょうか。α を振り忘れられた存在感の薄いこじし座の主星が、北極星を指し示す大事な星の一つであることを知って欲しくて、88鍵盤の最低音ラ(A)という素晴らしい贈り物を与えた・・シサスクの粋な計らいに思えてなりません。また、既にしし座に現れた 2つのミ(E)はレグルスとデネボラではないでしょうか。さあ、ラ(A)はどんなふうに現れるのでしょうか。 こじし座の音楽は、しし座の続きのように4段譜で書かれていますが、おとめ座としし座で繰り返された冒頭部分は軽やかな分散和音に変わり、探索や発見という表示も消えています。まるでライオンの子が早く答えを言いたくて、興奮しているような曲想になっているのです。(譜例2)
【譜例2】
そして最後の練習番号[7]に、ついにラ(A)が現れます。練習番号[7]といえば、「しし座」の練習番号[7]に「発見」という言葉が記されていると書きましたが、これがやはり、シサスクによる意図的な表示で、答えが[7]に見つかるかもしれないよ!とヒントを与えていたように思えてなりません。 一番低いラ(A)は66小節目と最後に現れ、特に最後は鍵盤上の一番高いラ(A)と一番低いラ(A)が和音とともに同時に打鍵されます。誰よりもシサスク自身がこのグッドアイデアな曲構成に満足で、弾き終わったところでガッツポーズしているような姿が眼に浮かぶのは私だけでしょうか。(譜例3)
【譜例3】
真横が見えている(エッジオン銀河) NGC 3432 は、4500万光年にある渦巻銀河です。形が歪んでいるのは、近くにある銀河による重力的な影響によると考えられています。
美しい棒渦巻銀河 NGC 3344 は 2000万光年にあります。 中心の黄色がかった古い星々、青く光る若い星団、赤みを帯びた星形成領域といった銀河の典型的な色合いをもっています。
シサスクはこのほかにNGC 3486、3414、3245 を星座図に記していますが、NASAには画像が見つかりませんでした。
こじし座はしし座とおおぐま座の間にある小さな領域で、目立たず、あまり知られていません。しかも β星があるのに α星がなく、それは悲しいことに、カタログ作成時(1845年)にギリシャ符号を単に振り忘れたというミスのせいだとか。
α星となるはずだったのは、こじし座で最も明るい星(といっても4等星)で、プラエキプア Praecipua という名があります。ラテン語で「主要なもの、チーフ」といった意味とのことです。
H.A. Rey 著 "The Stars" に収められている星座図をお借りし、おとめ座、しし座、こじし座とその周辺領域に手を加えてみました。
おとめ座 α星スピカ、しし座 β 星デネボラ、そしてうしかい座 α星アルクトゥルスの 3つの恒星を繋いだ正三角形を「春の大三角」Spring Triangle (黄色の点線)といいます。欧米ではスピカ、アルクトゥルスとレグルスと α星ばかりを繋いだ三角形を「春の大三角」としているようです。
北斗七星の柄杓の柄からアルクトゥルス、スピカ、からす座へと伸ばした曲線(紫の点線)は「春の大曲線」と呼ばれます。北斗七星はおおぐま座の一部ですが、その α星とβ 星の間隔を北へ約 5倍に延長すると北極星にたどり着くという見方は航海する人々にもよく使われていたことです。
シサスクがこの領域をどう見ていたかは確認できませんが、しし座のレグルスとデネボラ、そしてこじし座のプラエキプア Praecipua の 3星を結ぶと、小さな正三角形がもう一つできることに気づきました。2つの正三角形はデネボラを中心にした蝶の形になりますね。デネボラをかみのけ座やりょうけん座の星と繋いだら蝶の触角まで見えてきます!(書き入れようかと思いましたが、皆さんの想像にお任せします。)
更に発見が!こじし座の Praecipua はレグルスからのラインを延長すると、おおぐま座(北斗七星)の α星と β 星のラインに沿って北極星へと繋がります(赤い点線の矢印)。そして図に書き入れたもう一つの赤い矢印は、りゅう座 α星トゥバン Thuban を指しています。Thuban は 5000年前に北極星だったとされている星です(69. ケフェウス座を参照)。Praecipua から北斗七星の柄杓の左辺へ、そしてそれを約 3倍すると Thuban が見つかりそうです。シサスクはおとめ座、しし座、こじし座の作品を順に並べることで、この領域の関係性を示したに違いありません。
こじし座のシサスクのイメージは「見出す者」。見当たらなかった「ラ(A)」(譜例1)の発見に期待が高まります!
【譜例1】
ラ(A)といえば、《赤道の星空》の「ほうおう座」に登場した「蝶のモチーフ」も思い浮かびます。そして第79曲としてこれから現れる「おおぐま座」を気になって調べたところ、最後はラ(A)の音で落ち着いています。推測ですが、シサスクはラ(A)の音から蝶の形を、あるいは Aというアルファベットの形から三角形を連想させ、北極星へ導こうとしたのではあるまいか。
ならば、ラ(A)は北極星のことか?とも思いましたが、むしろ、こじし座の Praecipua に特別に与えられた音なのではないでしょうか。α を振り忘れられた存在感の薄いこじし座の主星が、北極星を指し示す大事な星の一つであることを知って欲しくて、88鍵盤の最低音ラ(A)という素晴らしい贈り物を与えた・・シサスクの粋な計らいに思えてなりません。また、既にしし座に現れた 2つのミ(E)はレグルスとデネボラではないでしょうか。さあ、ラ(A)はどんなふうに現れるのでしょうか。
こじし座の音楽は、しし座の続きのように4段譜で書かれていますが、おとめ座としし座で繰り返された冒頭部分は軽やかな分散和音に変わり、探索や発見という表示も消えています。まるでライオンの子が早く答えを言いたくて、興奮しているような曲想になっているのです。(譜例2)
【譜例2】
そして最後の練習番号[7]に、ついにラ(A)が現れます。練習番号[7]といえば、「しし座」の練習番号[7]に「発見」という言葉が記されていると書きましたが、これがやはり、シサスクによる意図的な表示で、答えが[7]に見つかるかもしれないよ!とヒントを与えていたように思えてなりません。
一番低いラ(A)は66小節目と最後に現れ、特に最後は鍵盤上の一番高いラ(A)と一番低いラ(A)が和音とともに同時に打鍵されます。誰よりもシサスク自身がこのグッドアイデアな曲構成に満足で、弾き終わったところでガッツポーズしているような姿が眼に浮かぶのは私だけでしょうか。(譜例3)
【譜例3】
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