44. レチクル座 Reticulum

レチクル座  Reticulum

永遠 ー 永遠の彼方へ  Eternity, Fading into Eternity

Unusual Starburst Galaxy NGC 1313

 レチクル座にある NGC 1313は棒渦巻銀河ですが、形が崩れているためにトプシー・ターヴィー銀河 Topsy Turvy Galaxy(Topsy Turvy は滅茶苦茶の意)、あるいはスターバースト銀河 Starburst galaxy と呼ばれています。スターバーストとは隣接する銀河との衝突などで星のもととなる星間ガスが作られ、一度に大量の星が形成される現象のことです。



 
 NGC 1313にはトプシー・ターヴィー・ブラックホールと呼ばれる 2つのブラックホールがあります。紫に光っている 2つの部分がその場所であると思われます。

 レチクル座のレチクルとは、望遠鏡の接眼レンズに張った十字線のことで、星を観測する際、照準を合わせるために使いました。

 
 シサスクのレチクル座のイメージは「永遠  永遠の彼方へ」。
 
 137億年の宇宙の歴史に対し、地球の歴史は 46億年、人類の歴史は 240万年ほどしかありません。星々には命の誕生と終わりがある一方で、宇宙はエネルギーのバランスを奇跡的に保ちつつ膨張を加速させています。しかし宇宙に果てがあるのか、宇宙の未来がどうなるのかは誰にもわかりません。見えないものやエネルギーを暗黒物質、暗黒エネルギーと呼んで、それが何かを解明しようとしている人間たち。けれども「何か」がわからなければ、宇宙の謎は永遠に解けないままです。


 シサスクのレチクル座の音楽は、宇宙空間をさまよう魂が星になるのを一つ一つ確認していくかのような音楽です。
 魂はもしかしたら暗黒の世界へと吸い込まれ、生まれ変わる準備に入るのではないでしょうか。これまで多くの星の誕生プロセスを見てきたからか、そのような考えが浮かびました。
 楽譜には魂が目の前から消えるのを音符で表しているような部分があります。





 音符が✖️で書かれているところは、音を出す仕草をするけれども音を出しません。魂が宇宙の見えない物質、暗黒物質に変化する瞬間かもしれません。この音楽を聴いていると、宇宙の果ては永遠にわからないままでよい気がしてきます。命を終え、魂が宇宙へ帰るとき、誰しもわかるのかもしれませんから。






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