2. こぎつね座 Vulpecula

小狐座 Vulpecula

不安 Anxiety


 天の川には 2つに別れる部分があります。それら支流の間に暗闇が広がっていて、こぎつね座はその暗闇をちょうど横切る形に位置し、はくちょう座のすぐ南に見つけることができます。

 こぎつね座のシサスクのイメージは「不安」。
 付随物語によると「小狐は氷の裂け目のある川を不安そうに渡っている・・」とあります。音楽にもそのぎこちない歩行の様子や、驚いて飛び退くような跳躍音型、雪の上に延々と続く足跡などが表わされているようです。

 こぎつね座の領域には、上の画像のような鉄アレイに似た形から亜鈴(ダンベル)星雲と呼ばれる M27 があります。これは空に浮く巨大な座布団、魔法のじゅうたんなどとも形容されたり、英語では Apple Core Nebula(リンゴの芯星雲)の異名もあるとか。ちょっと不気味な想像ですが、私には心臓のように見えます。



 こぎつね座自体は目立たない星ばかり。シサスクによる星座図(上図:初版より転載)には星をつなぐ線が描かれておらず、まるで雪の上の足跡のよう。広大な雪原に小狐の存在を確かめるのはなかなか難しそうです。
 曲の中では時折、 ff や fff、強烈なアクセント が出現。目立たない星と M27との鮮明なコントラストを表現しているのでしょうか。この星座の領域には一体何が出るかわからない! といったような不安を覚えます。


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