15. こと座 Lyra

琴座  Lyra

幸福  Happiness


 ここに並ぶ一等星は、右から、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルです。野尻抱影氏によるとベガは、夏の夜のクイーンと讃えられているそうです。この 3つの星は「夏の大三角」を形作ります。それぞれを比較してみましょう。

 ベガ            :太陽の 30倍明るい。25光年。
 デネブ        :太陽の 54000倍明るい。1400光年。
 アルタイル:太陽の 10倍明るい。17光年。

 どれも太陽より温度が高いため、青白く見えるのですが、距離の関係から一番明るく見えるのはベガです。ベガは全天で 5番目に明るい一等星です。
 一番明るい一等星はというと、おおいぬ座の「シリウス」です。ところがなんと遠い未来に、ベガはシリウスを凌ぐ光になるとのことです。それだけではありません。約12000年後、ベガが今の北極星に代わり、新しい北極星になります。少し難しい話ですが、地球の自転軸が歳差運動によって少しずつ変化しているために、このようなことが起こるということです。




 NASAのページに面白い画像を見つけました。
左は今の北極星を中心にした画像。右は未来の北極星ベガを中心として星が回っている画像とのことです。


 これは、こと座の領域にある惑星状星雲 M57です。「環状星雲」、「リング星雲」、あるいは「ドーナツ星雲」などとも呼ばれています。鮮やかな色彩に目を奪われます。

 シサスクのこと座のイメージは「幸福」。

 この曲は《銀河巡礼〜北半球の星空》の中で最も美しく、親しみやすい曲ではないでしょうか。向こうが透けて見えるような音色から、こんな宇宙の声が聞こえきます。 
 目を閉じて、見えないけれど存在するものを感じる時間、聞こえないものを聴こうとする時間を大切にすると、幸福を感じるでしょう? ベガは未来の新しい変化を想像することを教えてくれています。





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