狼座 Lupus
狼にとっての蝶 A Butterfly for the Wolf
これは 600光年にある「おおかみ座分子雲」。分子雲とは星間分子雲とも呼ばれ、星と星の間のガスと塵(主に水素分子)が存在する領域のことです。星間分子雲は数十万年から数百万年かけてゆっくり収縮し、新しい恒星や惑星を生み出します。私たちの太陽系も 46億年前にこうした星間分子雲から生まれたと考えられています。この青く輝いている部分は「おおかみ座分子雲」の一角にある「おおかみ座 3」 Lubus 3 という星生成領域です。ガスと塵が重力によって圧搾され、幼い星が生まれる過程は、太陽系の誕生を知る手がかりとなるかもしれず、さまざまな分野の研究対象となっています。
このゴージャスな渦巻銀河 NGC 5643 は おおかみ座の領域、6000万光年にあり、その直径は 10万光年もあります。
これは 8800光年にある惑星状星雲 NGC 5882 です。おおかみ座のある天の川の奥深くにあります。緑色の星雲の中心にある星は死にゆく星、その表面温度は摂氏7万度という恐るべき高温(因みに太陽の表面温度は 5500度)になって明るく輝いています。星が消滅していく過程では、外側にガスと塵の繭ができ、その繭は中央の星からの紫外線を浴びて光るのだそうです。
IC 4406: A Seemingly Square Nebula
1900光年にある IC 4406は「網膜星雲」 RETINA NEBULA と呼ばれています。これも惑星状星雲なので、中心にある死にゆく星からガスと塵が放出されています。この画像をよく見ると左右対称になっています。両端は暗闇に消えていますが、さらに奥へ広がって巨大なドーナツ状になっていると推測されています。長方形の星雲かと思いきやドーナツ状とは更に驚きです。
シサスクは自筆の星座図に 2つの球状星団を書き込んでいます。NASAのページには見つからなかったのですが、英語の Wikipedia にはありました。2つとも豊富な化学物質が存在し、興味深い研究対象となっているようです。
これは 600光年にある「おおかみ座分子雲」。分子雲とは星間分子雲とも呼ばれ、星と星の間のガスと塵(主に水素分子)が存在する領域のことです。星間分子雲は数十万年から数百万年かけてゆっくり収縮し、新しい恒星や惑星を生み出します。私たちの太陽系も 46億年前にこうした星間分子雲から生まれたと考えられています。この青く輝いている部分は「おおかみ座分子雲」の一角にある「おおかみ座 3」 Lubus 3 という星生成領域です。ガスと塵が重力によって圧搾され、幼い星が生まれる過程は、太陽系の誕生を知る手がかりとなるかもしれず、さまざまな分野の研究対象となっています。
1900光年にある IC 4406は「網膜星雲」 RETINA NEBULA と呼ばれています。これも惑星状星雲なので、中心にある死にゆく星からガスと塵が放出されています。この画像をよく見ると左右対称になっています。両端は暗闇に消えていますが、さらに奥へ広がって巨大なドーナツ状になっていると推測されています。長方形の星雲かと思いきやドーナツ状とは更に驚きです。
シサスクは自筆の星座図に 2つの球状星団を書き込んでいます。NASAのページには見つからなかったのですが、英語の Wikipedia にはありました。2つとも豊富な化学物質が存在し、興味深い研究対象となっているようです。
おおかみ座の歴史は星座の起源とされる古代メソポタミアに遡り、その形はその後、野獣、狂犬、ライオン、生け贄などに例えられてきました。おおかみ座の名前が与えられたのは 13世紀半ばのことです。 上のシサスクの星座図で、音符のド C のように黒丸に横棒が引いてある星は、連星(双子星)であることを表していて、数えてみるとおおかみ座の領域内に 12個あります。おおかみ座は連星が多いことでも知られる星座です。連星とは、2つの恒星がお互いの引力によって周回しているという天体です。Wikipedia に面白い動画を見つけました。「連星の一生」という文字をクリックしていただくと、リンク先にて動画を見られます。どちらの星も最後は爆発してその一生を終え、爆発の後は極限にまで圧縮されたブラックホールから超高密度な天体、中性子星が生まれます。中性子星は巨大原子核であるということがわかっていますが、その内部は長い間、謎に包まれていました。しかし近年の原子核物理学という分野において、その姿の解明は可能になりつつあります。
https://www.youtube.com/watch?v=pDDjEkGjV9U
シサスクのおおかみ座のイメージは「狼にとっての蝶」。
「狼」座という星座はここにあっても「蝶」座という星座はどういうわけかありません。しかしこれまで、蝶の羽のような左右対称の形をした天体の存在をほうおう座やさそり座に見てきました。星雲の場合、蝶の羽の姿は星としての最後の姿です。星生成領域「おおかみ座 3」を有するおおかみ座には、星の誕生の前に消えゆく蝶の姿を多数見られるような気がします。 もし、連星の一生を狼と蝶で例えるとすると、狼は爆発の後に極限にまで圧縮されたブラックホールで、蝶はそこから生まれ出た中性子星ではないでしょうか。宇宙は星々の相互作用によって成り立っていることを狼と蝶が暗示しているようにも思えます。「狼にとっての蝶」というイメージは「蝶(星)あっての狼(宇宙)」と言い換えることもできそうです。 このように最も古い起源を持つ星座の一つかもしれないおおかみ座は、宇宙の壮大さを改めて実感させてくれる星座なのです。シサスクはおおかみ座の曲を《銀河巡礼〜赤道の星空》全曲中、真ん中の第11曲に置いています。この星座を大切に思っていることの証でもあると思います。
おおかみ座の楽譜の表紙にはエストニア語による副題 "LIBLIKAS HUNDILE" (狼にとっての蝶)の下に YUKO TAKAHIRO' LEとあり、ここで初めて、蝶は YUKO、狼は TAKAHIROでもあることが明かされます。星座図の下には YUKO YOSHIOKAにこの曲を献呈すると書かれています。おおかみ座は狼ではなく蝶が弾く曲なのです。なぜでしょう?これは私の推測です。YUKO TAKAHIRO' LEは YUKO to TAKAHIROとも訳せるのですが、シサスクはこの曲が自分から YUKOへ、YUKO から TAKAHIROへと繋がっていくことも示したかったのではないでしょうか。 シャーマンを自認するシサスクは、YUKOと TAKAHIROの背後に守護動物を見たなどとも言っていますが、シサスクにとってみれば、我々日本人は宇宙の生き物(?)に例えたくなるような、なんとも不思議な存在なのかもしれません。出会ってなければ彼の初来日はなかったであろうし、このような曲集も生まれていないのです。因みにシサスクが最初に偶然出会った日本人ピアニストは舘野泉さんです。こう言っては失礼ですが、ちょっと不思議な人ばかり? でも宇宙との繋がりというのは「不思議」から始まるのではないでしょうか。
シサスクのおおかみ座の音楽は、「蝶(星)」と「狼(宇宙あるいはブラックホール)」のイメージを非常によく表現していると思います。途中、ほうおう座の「蝶のテーマ」がそのまま現れるのですが、前後の音楽との切り替わりは、まるで暗黒の宇宙と煌めく星との対比のようです。「蝶のテーマ」は回転速度を増した音型に変化し、連星の周回を思い起こさせます。宇宙的な表現としては重く深い音色によって、消滅に向かう星々からゆっくりと湧き上がるガスの動き、ハーモニーの変化から悠久の時の流れや形を変え、力を蓄え、爆発へと向かう星々の一生、連鎖のエネルギーなどを感じることができます。
【補足】エストニア語のサブタイトルLiblikas = 蝶Hundile = 狼へ、狼に向けて、狼にとって。
hundile というエストニア語の -le は英語の to / for の両方をカバーし、単なる方向だけでなく、関係性・受け手・視点を含みます。A Butterfly to a Wolf でも間違いではありませんが、意味が曖昧になるため、A Butterfly for the Wolf としたいと思います。
【補足】
エストニア語のサブタイトル
Liblikas = 蝶
Hundile = 狼へ、狼に向けて、狼にとって。
hundile というエストニア語の -le は英語の to / for の両方をカバーし、単なる方向だけでなく、関係性・受け手・視点を含みます。A Butterfly to a Wolf でも間違いではありませんが、意味が曖昧になるため、A Butterfly for the Wolf としたいと思います。











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