88. かんむり座 Corona Borealis

冠座  Corona Borealis

アポテオシス  Apotheosis







 はくちょう座の最後の響きの中から聞こえてくる音楽は、じょうぎ座(クイッティ・フイッティ)に現れたクイッティ・フイッティのテーマの完全な再現です。このことは何を示しているでしょうか。
 シサスクはかんむり座、プレアデス星団じょうぎ座位置関係を音楽で表したのではないかと推測し、調べました。天球図にその結果を表してみます。

【図1】


 かんむり座じょうぎ座はほぼ同経度、かんむり座プレアデス表裏の関係で経度も緯度も完璧に同じところに位置しているのです。
 シサスクはじょうぎ座のイメージをプレアデス星団の背後に息づく生命」としていました。かんむり座プレアデス星団の背後であると同時に、じょうぎ座の背後でもあったのです。
 「クイッティ・フイッティ」のテーマを冒頭からはっきり聞こえるよう提示したのも、かんむり座じょうぎ座に非常に近いためでしょう。

かんむり座の音楽では、「クイッティ・フイッティ」のテーマに始まり、続いてうお座かじき座レチクル座かみのけ座こと座こぐま座ペルセウス座の 7つの音楽が、移行部 Interludium を挟みながらメドレーのように流れていきます。「7」というと、気になる点がいくつか浮上します。《赤道の星空》のろ座(色彩の神秘 Mistery of Colors )で現れた「7つのカラー」、らしんばん座(夢見る者の幻影 Dreamer's Visions )で現れた「7つの夢」、さらに かんむり座を構成する恒星が 7つあることなどです。


 シサスクによるかんむり座の星座図です。
  α星の固有名ゲンマ GEMMA は「王冠の宝石」を意味するラテン語で、補足されているアルフェッカ ALPEHCCA は、ギリシャ神話に登場する王女アリアドネに与えられた王冠を意味します。β星の固有名 ヌサカン NUSAKAN は「二列」あるいは「2本の線」を意味するアラビア語です。
 冠の右にある Abell 2065 の画像は冒頭にアップしました。実はシサスクはAbell 2065 ではなく AGC 2605 と書き込んでいるのですが、AGCというカタログ自体が見つかりません。位置的に同じものであると確認の上、Abell 2065 に換えさせていただきました。Abell 2065 は「かんむり座超銀河団」に属する銀河団で、8億6000万光年にあります。かんむりにはめぼしい天体がほかにないのですが、2021年現在最大の大規模構造「ヘルクレス座かんむり座グレートウォール」Hercules-Corona Borealis Great Wall の存在が知られています。長さ100億光年、幅72億光年に及ぶと推定されていますが、詳しいことは殆ど解明できていません。


 話が飛びましたが、かんむり座における「7」については、《赤道の星空》で現れた「7」と関連があるものと考え、下記のようにまとめてみました。


 表内の番号づけを「0」からとしたのには 2つの理由があります。ろ座「7つのカラー」には繰り返される冒頭のテーマがあること、同様にらしんばん座「7つの夢」にも 1番目の夢の前に「夢見る者のテーマ」Dreamer's Theme があるからです。そこで「0」を設定してかんむり座自体を当てはめました。なお、ろ座の「7つのカラー」に具体的な色の指定はありません。

 「夢」といえば、きりん座の曲の前に書かれたシサスクの解説を思い出します。《北極の星空》で Kuijti-Huijti のテーマの断片を初めて登場させたのはヘルクレス座ですが、そのことをシサスクは解説ときりん座の音楽仄めかしたのでした。ここに解説を再掲したいと思います。

 これから私は、あなたの祖先、友人、去っていった魂のもとへ、あなたを導きます。地上での生活を送るあなたに、一度ここへ戻るようにと彼らが純粋な心で言っているからです。星、宇宙には、あなたに知恵と精神性を与える師がいます。月は、あなたにシグナルを送る意識の象徴です。夢は、同じイメージが二度と繰り返されることのない万華鏡のようなものです。この曲の主題とメッセージは、太陽系外惑星クイッティ・フイッティとの精神的な音声通信から2015年12月に受け取りました。    

 らしんばん座「7つの夢」の2番目で「うお座」と指定された夢については "万華鏡" の例えからすると、 "魚" の万華鏡で「かじき座」になったと考えてもよさそうです。この解説文に「地上」「宇宙」「夢」「惑星」が含まれていることが意図的である気さえします。

 ではここからは、メドレーの各星座の曲を譜例とともに回想し、かんむり座において、なぜこの 7つの星座が選ばれたのかを考えていきましょう。


うお座(悟りを得て〜星空への賛歌)
       1番目のカラー、1番目の夢
  

  
 「悟りを得る」とは真理を知ること。2014年、宇宙の大発見がありました。巨大な銀河の集合体「ラニアケア超銀河団」外側に「ペルセウス座うお座超銀河団」があることがわかり、シサスクのうお座のイメージは大きく変わったと思われます。サブタイトルに「星空への賛歌」を加え、らしんばん座「7つの夢」の 1番目に取り上げたことからは、人類の想像を遥かに超える宇宙への敬意を感じます。宇宙から自分に届く音楽は、常に幸福に満ち溢れている」と彼は言っています。


かじき座(霧の中の悦び)
       2番目のカラー、「うお座」の夢


 かじき座の音楽「霧の中の悦び」は、宇宙がいつでも、我々を悦ばせる存在であることを教えてくれます。かじき座の側にある大マゼラン銀河を「霧」と表現したシサスク。その向こうで発見されるのを待っている星は、無数にあることでしょう。
 この曲は「単独で演奏してもよい」との指示があり、シサスク自身も好んで演奏していました。「星空への賛歌」としたうお座よりも弾く機会が多かったのではないでしょうか。ペダル効果が独特で、踏み替え時にピアノ内部のすべての弦が空気を震わせ、星雲の動きを感じさせるかのようです。


レチクル座(永遠〜永遠の彼方へ)
       3番目のカラー、「蝶」の夢


 宇宙空間をさまよう魂が星になるのを一つ一つ確認していくかのようなレチクル座の音楽魂はもしかしたら暗黒の世界へと吸い込まれ、生まれ変わる準備に入るのではないでしょうか。楽譜には魂が目の前から消えるのを音符で表しているような部分があります。 
 レチクル座は《南半球の星空》の終曲で、《赤道の星空》の第1曲「ほうおう座」(動揺する蝶)へと繋がっていきます。ほうおう座レチクル座の近くにありますが、レチクル座と「蝶」の関係性はそれだけではないでしょう。シサスクは《赤道の星空》において、「狼」と「蝶」をサブタイトルに加えることで、星座の位置関係のみならず、星座の形、あるいは作曲者の日常から得た個人的なエピソードまで実に多彩な内容を暗示しました。シサスクは、時を超え、天と地、人(生き物)がつながる壮大な世界を描いたのです。《南半球の星空》においても「ドリームタイム」と呼ばれるオーストラリアの先住民族アボリジニ独特の世界観を現地で体感し、創作意欲を掻き立てられました。そのことがなければ今日ある《赤道の星空》にはならなかったでしょう。「蝶」はもしかしたら、アボリジニの世界から吸い込まれ、レチクル座で生まれ変わった星なのかもしれません。


かみのけ座(転変〜オーロラ)
   4番目のカラー、「宇宙」の夢


 かみのけ座には「銀河の北極点」があります。その方向は他の天体に遮られることなく遠方の銀河がよく見えるので、「宇宙の窓」とも呼ばれています。けれども、らしんばん座「7つの夢」の「宇宙」に関連するのは「宇宙の窓」のことだけではありません。かみのけ座オーロラのイメージが、実はろ座の「7つのカラー」と大きく関係していることがわかりました。このことは後ほど詳しく記したいと思います。


こと座(幸福)
   5番目のカラー、「地上」の夢


  約 12000年後、こと座ベガ Vega は今の北極星に代わり、新しい北極星になります。ベガははくちょう座のデネブ Deneb、わし座のアルタイル Altair と「夏の大三角」を形作ります。らしんばん座「7つの夢」の「地上」の夢に関しては、思い浮かんだ一節があります。「幸福」のイメージであること座について、シサスクの親友ミック・サルヴ Mikk Sarv 氏が次のような文章を残しています。
 秋、落ち葉の季節、自然界は音もなく退いていきます。なんの変化も発展もないように思われますが、落ち葉に覆われたその下には新しい芽や種があり、次なる年への新しい命の希望があるのです。私たち人間が自分たちの存在意義を考えたり、近くに在る自然に気づいたりするために、ふと立ち止まることができるのは幸せな事なのです。
 星は巡り、季節を知らせ、歴史を刻んでいきます。宇宙は地上の幸福についても教えてくれています。


こぐま座(平和)
   6番目のカラー、「英雄」の夢



 こぐま座は、戦争によって破壊された地上世界を思わせるへびつかい座(破滅)の曲のあとに演奏されます。空高く天の北極にあり、一年中見ることのできるこぐま座は、まさに天上の世界、永遠の平和を思わせます。らしんばん座「7つの夢」の「英雄」に関連させるとすれば、戦争と平和について思い出しておきたい一節があります。エストニアの天文学者ヤーン・エイナスト Jaan Einasto 氏による《北半球の星空》の結びの言葉です。
 もし今、大砲の後ろで見張っている人が、ただ一度でも星空を見上げたなら、戦争の無益さを感じ、戦争は永遠に終わるのではないだろうか。 

 エストニアの北斗七星(おおぐま座)の伝説も思い起こされます。北極星に持ち上げられたのは働き者の農民でした。みなさんにとって、北極星はどんな英雄のイメージですか?

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 こぐま座の音楽の後は 44小節にわたり「最後の大上昇」The Last Big Rise という移行部 Interludium に入ります。途中、ペルセウス座の終わりの部分が先に現れます。


 

ペルセウス座(黙想)
   7番目のカラー、「惑星 Kuijti-Huijti」の夢

 ペルセウス座といえばペルセウス流星群・・《銀河巡礼》完結までの40年余りの旅路は流星が降り注ぐある晩の出来事から始まりました。
 シサスク14歳のある夏の日(1975年8月)のことです。一台のグランドピアノが翌日の修理に出すため、一晩だけ外に置いてありました。彼がそのピアノを弾き始めると、夜空はやがてとてつもなく大きな天の川に覆われ、とりわけシオペヤ座が彼を魅了しました。星々に抱かれながらイメージはみるみる音に変わり、初めての星座の曲「カシオペヤ座」が生まれました。そしてカシオペヤ座の浮かぶ天の川から降り注ぐペルセウス流星群を仰ぎ見るうちに、彼の心には全天88星座をピアノ音楽に書き表したいという特別な願いが心に浮かんだのです。

 14歳の(1975年)のことです。一台のグランドピアノが翌日の修理に出すため一晩だけ外に置いてあり、彼がそのピアノを弾き始めると、夜空はやがてとてつもなく大きな天の川に覆われ、とりわけカシオペヤ座が彼を魅了しました。星々に抱かれながらイメージはみるみる音に変わり、初めての星座の曲「カシオペヤ座」が生まれたのです。そしてカシオペヤ座の浮かぶ天の川から降り注ぐペルセウス流星群を仰ぎ見るうちに、全天88星座をピアノ音楽に書き表したいという特別な願いが心に浮かんだのです。

 ペルセウス座のテーマが再現するところで、かんむり座のフィナーレが始まります。


 ペルセウス座のテーマが終わりかけたその時、唐突に惑星「クイッティ・フイッティ」Kuijti-Huijti のテーマが顔を覗かせます。そこからは Kuijti-Huijti と Perseus との対話が続きます。


 戯れるようなその対話は 6回行われ、7回目の Kuijti-Huijti の声を最後に終曲となります。譜例は 5回目の Perseus の応答から終わりまでです。


 
7つの星座、そしてフィナーレに現れた 7回の Kuijti-Huijti 。かんむり座「7」づくしの美しい夢のうちに、ハ調の平和なハーモニーで締めくくられます。音の減衰とともに永遠の安らぎが訪れ、これまで見た世界が脳裏をよぎっていきます。これほど深い感動を味わうことのできる曲集の終わり方がほかにあるでしょうか。

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 楽譜だけでも十分かとは思いますが、ここからは、かんむり座と 7つの星座の位置関係からも音楽をイメージしていただけたらと思います。


 これは北国の真冬の全天星図です。中央の印は天頂で、ぎょしゃ座が天頂に来る 1月1日 23時時点の星空を選びました。天の川(緑色)は空の中央を南東から北西へと横切っていますぎょしゃ座のカペラ Capella は、エストニアでは北極星のように沈まない星として親しまれています。

 かんむり座の曲に登場する 7つの星座には 0〜7の数字を付しています。かんむり座の α星を探し、そこから南の果てに達する水色の長い点線を見てください。
 北極星 Polaris を中心とした かんむり座とプレアデス星団の位置関係は美しい点対称になっています。この点線は ペルセウス座の α星も経由しています。これは何より大きな発見です。ペルセウス座がまるで水先案内人であるかのように、かんむり座や北極星、きりん座まで引き連れて、プレアデス星団へと誘導しているように見えます。このことを知っていれば、 Kuijti-Huijti とPerseus の「フィナーレ」シーンはより感動的なものとなるでしょう。南の果ては かじき座レチクル座に達しています。近くには大マゼラン銀河 Large Magellanic Cloud があります。

 プレアデス星団の周囲には ペルセウス座のほかに、うお座ぎょしゃ座、そしてぎょしゃ座とつながるおうし座などが確認できます。プレアデス星団はおうし座に属する散開星団 M45 です。

 こぐま座周辺の星座たちは、北極星 Polaris を中心に左回りの日周運動をしています。北極星に近いところ(紫の点線内)を周るのは下から左回りに、きりん座カシオペヤ座ケフェウス座りゅう座おおぐま座です。その外側(緑の点線内)には ペルセウス座さんかく座アンドロメダ座とかげ座はくちょう座こと座ヘルクレス座、かんむり座うしかい座りょうけん座かみのけ座こじし座やまねこ座があります。これらの星座は同じ円周上であれば、同経度にあるということを表しています。シサスクが A「ラ」の音によって暗示してきた北極星を指し示す星座はきりん座りゅう座はくちょう座ヘルクレス座おおぐま座かに座やまねこ座ペガスス座こうま座でした。改めて全天星図で眺めてみると、よく考えられていることがわかります。因みにカシオペヤ座が北極星探し目安となることは有名で、シサスクは A「ラ」の音による示唆はしていませんが、《北極の星空》第1曲としているだけでも十分でしょう。
 
 かみのけ座の α星はどの星座と繋がっているでしょう。オレンジの点線を辿ってください。色彩の神秘、7つのカラーが登場するろ座 Fornax に繋がりますね。この点線はふたご座の双子を分けるように貫いているばかりでなく、ピンクの点線で繋いだ六角形「冬のダイヤモンド」Winter Hexagon の中心をも射抜いています。「冬のダイヤモンド」はぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、そしてふたご座のカストルとポルックスで形作られているのでしたね。六角形といいますが、ふたご座は星 2つですから、 合わせて 7つの星で形作られるダイヤモンドです。なんとここにも「7」がありました。

 ろ座 がなぜ「7つのカラー」による音楽になっていたのか、かみのけ座がなぜ「オーロラ」のイメージなのか、ようやく繋がってきました。しかし、オーロラの色彩とろ座のカラーがただマッチしただけなのでしょうか。実はこれで終わりではなく、更に驚くべきことがわかったのです。
 かみのけ座のラインに沿った矢印方向には、この図には入りきらなかった「かみのけ座超銀河団」や「おとめ座銀河団」があります。さらなる延長線上には何があると思いますか? なんと、みなみじゅうじ座(南十字星)です。みなみじゅうじ座には宝石箱 Jewel Box がありましたね。
 「冬のダイヤモンド」、みなみじゅうじ座の「宝石箱」、そしてかんむり座の「宝石」。なんという豪華な宝探しでしょう。奇跡としか言いようがない気分です。これで、かみのけ座らしんばん座「7つの夢」の「宇宙」の夢に最も相応しい星座であること間違いなしですね。

 
  シサスクのかんむり座のイメージは「アポテオシス 」。

 この言葉は和訳しないでおきたいと思います。エストニア語のタイトルからは神格化、崇拝などとも訳せるのですが、宗教的な意味合いに取られないようにと考えました。アポテオシス Apotheosis には、天体や自然、個人や集団、場所、また芸術におけるジャンルやモチーフ、メロディを雄大に称揚した形で扱うという意味があります。ここまで見てきたことを総括するような意味において「アポテオシス」Apotheosis という言葉に納得がいきます。

 かんむり座の音楽でシサスクが表現したかったのは、星空の重要なポイントをかなり広範囲に回想することだったのです。取り上げられなかった天体の数々もそのポイントから辿っていけば、きっと巡り合うことができるでしょう。

 シサスクが膨大な時間をかけてこのライフワークに向かう中で、特に《赤道の星空》で練り直したと思われるシナリオは、《北極の星空》完成までを見据えた緻密なものであったことが想像できます。思えば彼の筆が《北極の星空》に入って急ピッチに見えたのも、急いでいたわけではなく、しっかりとしたシナリオが既に出来上がっていて、ワクワクしながら作曲を進めていたのではないでしょうか。緻密なシナリオの中にはシサスクらしいユーモアもあり、宇宙について初めはほとんど知識のなかった私でも、発見と驚き、喜びの連続でここまで来ることができました。彼は音楽によって宇宙を書き表し、その素晴らしさを詳細に伝えることに成功した世界で唯一の人であるといってよいでしょう。

 かんむり座の音楽はミック・サルヴ Mikk Sarv 氏に献呈され、2018年4月7日にシサスクによって初演されました。サルヴ氏はその前日に66歳で逝去され、演奏を聴くことはなかったのですが、シサスクは彼が亡くなる数日前に《銀河巡礼》の全曲完成を電話で伝えていたそうです。冠をサルヴ氏に捧げたのでしょう。
 民俗学者であったサルヴ氏はかつて、シサスクに《銀河巡礼》を神話や伝説と結びつけるよう提案しました。《北半球の星空》に付随する星座についての物語はサルヴ氏が収集、編纂しています。銀河巡礼》はみずがめ座から始まりました。そしてみずがめ座のイメージも「夢」でした。サルヴ氏はどんな文章を書いていたでしょうか。1987年頃に書かれたと思われる文を補足を加えつつ翻訳しました。

 みずがめ座は太陽、月、および惑星の通り道となっている黄道十二宮の一つです。古代文化では、春は創造の時。春分の日に太陽が位置する春分点は2000年ごとに変わっていくといいます。いま人は星から、自然から離れ、人間同士すらも疎遠になっているようです。人と世界の変化は夢から始まります。これまでの2000年、うお座にあった春分点は、これからの2000年でみずがめ座へと移行します。私たちは改めて、自然への道、星への道を見つけ、仲間をつくる夢を見ようではありませんか。





 奥の深い夢を噛み締めつつ、シサスク自筆の星座に倣い、心を込めて星を繋ぎました。彼がエストニアで毎晩のように眺めていたであろう星空に思いを馳せながら・・。

 ここにある 51の星座の名前をぜひ思い出してください。かんむり座に登場した 0〜7の星座はそのままに、それ以降は曲順に番号を振っています。

 ところで、カペラを中心にすれば《北極の星空》の22星座すべてが入ると高を括っていたのですが、わし座が居ないことに後で気づきました。(鷲よ!窮屈な夜空を知らぬ間に抜け出したのですね!)今頃は はくちょう座の大分向こうの天の川上空を悠々と旋回していることでしょう。


青:北極 / 紫:北半球 / 緑:赤道 / 橙:南半球




カシオペヤ座からの流れ、壮大な星空の「バラード」
旅の終わりが近づきました。



《北極の星空》が完成した年、2018年 8月のペルセウス流星群です。




 ペルセウス座が流星の放射点。カシオペヤ座、プレアデス星団、北極星、夏の大三角・・
明るい流星のすぐ左上には、アンドロメダ銀河も写っています。かんむり座はここにはありませんが、ヘルクレス座の右に見えていたはずです。
 
 本物の星空を見に行きましょう!



《赤道の星空》を作曲中のシサスク(2015年)








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